ヒートパイプ

ヒートパイプは、宇宙技術のひとつとしてNASAで開発された超熱伝導体です。真空の金属パイプ内部に作動液(代替フロン、水など)が封入されており、この作動液の蒸発潜熱により、わずかの温度差で大量の熱を輸送します。また、温度が均一になろうとする作用があり、一様な放熱が得られます。
ヒートパイプの特長
メンテナンスフリー
布設後はメンテナンスフリーで半永久的に使用できます。
駆動エネルギー不要
地熱、地下水、排熱、その他の熱を利用しますので、電気などの駆動エネルギーを必要としません。
優れた耐食性
全長にわたって防食層を設けてあり、耐食性に優れています。
優れた施工性
フレキシブルヒートパイプですので、輸送及び布設が容易です。
ヒートパイプの仕様概要
項目 | 寸法・材質 |
---|---|
外径(目安) | 6mmΦ~30mmΦ |
管材 | 鉄・アルミ・銅・ステンレス |
防食層 | ポリエチレン・塩化ビニル等 |
作動液 | フロン・水・アルコール等 |
ヒートパイプの種類

ヒートパイプロードヒーティングの特徴
-
1
- 各種熱源を利用
-
熱源としてヒートポンプ<空気熱源>による温水の他、低レベルの熱源(地下水、温排水、地熱等)が利用できます。
-
2
- パイプでの熱効率がよい
-
銀や銅に比べて熱伝導率が数百倍も大きく、小さな温度差で多量の熱を輸送することができます。
-
3
- 自己温度制御作用がある
-
ヒートパイプは、融雪面の表面温度が下がると熱輸送を開始し、表面温度が上がると熱輸送を止める特性があります。また、温度均一性があるため低温での融雪が可能で、融雪面への過熱の心配がありません。
-
4
- パイプの故障が波及しない
-
ヒートパイプはそれぞれ独立して機能し、多数集まって構成されたシステムのため、事故等による破損があっても影響が少なくて済みます。
-
5
- 保守点検が容易
-
路面下のヒートパイプは通常メンテナンスフリーであり、スケール付着による効率低下もなく、保守が容易です。

下水排熱利用システム
下水管にヒートパイプを接触させることにより、その排熱をヒートパイプに伝えて融雪します。
下水管にヒートパイプを接触させることにより、その排熱をヒートパイプに伝えて融雪します。

地下水利用システム
地下水を汲み上げ、熱交換して融雪します。散水せずに地下に戻しますので、泥はね等が無く地下水汲み上げによる問題もありません。
地下水を汲み上げ、熱交換して融雪します。散水せずに地下に戻しますので、泥はね等が無く地下水汲み上げによる問題もありません。

排熱利用融雪システム
排熱を熱交換器で回収し、ヒートパイプで路面に熱を加えて融雪します。
排熱を熱交換器で回収し、ヒートパイプで路面に熱を加えて融雪します。

既存設備利用システム
プール用クッションタンクの温水等を熱交換して循環することにより、その熱をヒートパイプに伝えて融雪します。
プール用クッションタンクの温水等を熱交換して循環することにより、その熱をヒートパイプに伝えて融雪します。

ボイラー方式システム
ボイラーによる温水を利用してヒートパイプに熱を伝えて、融雪します。
ボイラーによる温水を利用してヒートパイプに熱を伝えて、融雪します。